古いお話です。
探し物をしていて、見つけたものです。
昭和４５年１１月１日 ヤングメイツにて
『近頃はカメラを持っていらっしゃるかたや、
テープを録ってらっしゃるかたが多いようですけど・・・
実際こっちは大いに迷惑なんですよ。
テープは特に、後で同じ事をもう一度じっと聞かれるかと思うと
ぞぉ～っですよ。カメラもシャッターが気になるだけでなく
あのフラッシュをまともに見ると、ぶわぁ～とくるしその為に
目を悪くされたかたもいるんですよ。
目がこうなって、より目のヘイ・ジュテームになったりして・・』
昔は、カメラもテープもOKだったのですが、今とは雲泥の差ですね。
昭和４５年１２月２４日広島公演 夜の部
ロックパイロットの３０分のステージのあと、お待ちかねのTigersショー。
一部
白のパンタロンに黒のベルベットの上着。
♪世界はまわる ♪友情 ♪自由と憧れと友情 ♪出発のほかになにがある
♪誓いの明日
２４日はクリスマスイブ
ピー作詞、タロー作曲の♪あわてもののサンタ
二部
Julieは白のパンタロン、ふくらはぎまである皮のフリンジ、お気に入りの皮のベルト。
蛇皮の靴。
タローが♪イエローリバー
ピーは何も言わず笑顔を浮かべていました。
『アダモが来たとき、３階か４回かな、聴きに行きましていい曲だったので
安井かずみさんに翻訳してもらいました。♪ヘイ・ジュテーム』
私の大好きな曲です。
グランド・ファンク・レイルロードの♪エニバディーズ・アンサー
ラストナンバー♪ラブ・ラブ・ラブ
解散の事は何ひとつ触れなかったJulieでした。
新しいグループでの活躍を期待しています。
あなたのやりたい曲をやってください。
すべてをぶつけてください。
私はあなたを信じます。解散したことがJulieにとってマイナスではなかった、と。
昭和４６年２月２６日 （Yさん記）
B・B/キング公演
前座3組出演 ソウルフル・ブラッズ、成毛滋グループ、PYGの順。
成毛さんのプレイが素晴らしかった、と。
PYG Julieとショーケンが中央。横向きに椅子に腰を下ろしている。
Julieの姿は絵に描いたように美しい。
１曲目、井上さんのブルースのソロから始まる。アンプの音が悪く、ギイギイという
雑音が気になる。
歌い終わると『最初から暖かいご声援、ありがとうございます。』
PYGがステージに姿を見せた時、客席から『馬鹿野郎』『ひっこめ』のヤジが
飛んだのを皮肉ったものです。）
『今更、何も話す事はありません。一生懸命やります。２曲目を聴いてください』
と井上さんの大人の気持ちをのぞかせたあいさつ。
２曲目はショーケン、３曲目、Julieの♪ラブ・サムバディ 見事な歌いっぷり。
ロック調に編曲してあるけれど、悩ましげに歌うJulie.
４曲目、♪悪魔を憐れむ歌 ショーケンのどなったような叫ぶような・・・
でもJulieのボンゴとリードギター、オルガンがはもっている。
ショーケンが手拍子をしてくれと客席に声をかけるが全く反応なし。
マスカラを壊して足で踏みつける、という子供みたいな事をする。
ラスト♪アイ・プット・スペル・オン・ユー
途中Julieのマイクが故障。客席から『どうした』とヤジが飛ぶ。
ショーケンが自分のマイクをほおり投げる。Julieがすかさず拾って歌いだす。
流石、キャリアがものを言ってたじろぎを見せない見事な態度にほっとする。
まばらな拍手でPYGの演奏が終わりました。何かすっきりしないものが残りました。
１９７１年６月１３日 広島 （公子記）
お誕生日のファンの集い（中国新聞社ホール）
１４時15分、予定より１５分遅れてJulie登場。
ブルーのスーツに紺色のカッター、それに運動靴（今で言えばスニーカーですね）。
だてめがねをかけて。
まず、Julieのご挨拶、花束の贈呈。Julieのご挨拶。
空港に、例のごとく、ファンが迎えに来て大変だった、と。
「『いらっしゃい』って誰一人も言ってくれなかったんです。怒ったんだけど、
大変、悪かったと思います。」と、Julieが謝ってました。
空港からの車中でしきりに「悪い事をした」と言っていたそうです。
あちこちから色んな質問が飛びますが、嫌な顔ひとつせず、丁寧に答えていました。
一番多かったのは女性に関する事でした。
ある時はおどけて、ある時は困って、一つ一つ言葉を探すように答えていました。
いろんな噂から色んな女性の名前が出て来て、私もびっくり。
「僕の事、信じてないんでしょ？」と横目で睨んだりして。
「恋人がいたら隠しますか？」
「僕が良くても、相手が嫌がったら隠しますね」
理想の人は料理の上手な人、はっきり言えば僕が好きになったらいいんです。
でも料理が下手だったらいやですね。料理がうまかったらあとはどうでもいいです。
僕が飼いならしますから。」
京都弁で、と言われて
「小さい頃、何でも兄と同じでないといけんかった。兄貴がバナナを食べていたら、
どうしてワシにはないんや、いやや！って」
「吉田山って山があってそこでよく落書きしたなあ。繁みに隠れてアベックが通ると
わーって冷やかしたもんです。」
ステージの話では
「ショーケンはショーケンなりに僕に気を使ってくれし、僕も僕なりに気を使ってます」
PYGとTigersのメンバーについては
「Tigersの時はみんな若くて言い合いをしたけど、今のメンバーは大人ですし、
頼れます」
ビューティフルコンサートでファンの涙を見てどう思ったか。
「はっきり言って嬉しかったとは言えません。
迷惑だったわけでもありません。僕なりに良いステージにしようと、
タバコもお酒もやめたけど、僕も泣いてしまって良いステージではなかった。
涙を見て、僕たちは悪い事をしているのかとも思いましたけど、
あの日の事を良い思い出としてもうこれ以上の良い思い出はない、と思って
下さるのは自由ですけど・・・」
Tigersでできる範囲の事はすべてやった。その事を今更どうのこうの言わずに
PYGに僕を見て欲しい、そんな風に言っていると思いました。
司会の湯浅さんが「そろそろじかんもなくなったのですが
Julieが「まだ」と言い、質問したファンが納得いくまでやろう、と。
「もっと突っ込みましょうか？（女性問題について、です）」など
にこやかに、ユーモアたっぷりに答えてくださいました。
「髪の毛は『たぶろう』でもらったシャンプーとリンスを使ってます。
（きどって）時々、トリートメントもしています。
髪は元々いいそうで、誰のせいかというとおとうちゃんとおかあちゃんのせいですね」
と笑っていました。
質問コーナーが終わり、バースデーケーキが出てきて誕生パーティーです。
直径３０センチ、二段のケーキに
『おたんじょうび、おめでとう 沢田研二』２３本のローソク。
一気に消してください、というと「一気には消えないよ」と言いながら一気に消しました！
「サリーが言ったように、きれいな大人になりたいと思います。本当に心からの歌を
歌っていきたい」
この集いには２つの大きなプレゼントがありました。
ひとつはJulieがギターをひいてくださった事、Julie一人が歌う♪花・太陽・雨
みんなで歌いました。
２曲目は♪悲しくなると 一番最初に作った曲で目黒ハイツにいた時１年かけて作ったそうです。
もうひとつのプレゼントは、Julieが自分から「みんなと握手したい」と言われた事です。
「おめでとうございます」「ありがとうございます」それだけでしたが、あの右手の柔らかい感触は
忘れられません。
自分の首のペンダントをJulieの首にかける人、指輪をはめてあげた人、長らくお話する人。。。
どの人にもいやな顔ひとつせず。５００人足らずでしたがみんなと握手。
車いすに乗りおかあさんに連れられたかたがいらっしゃいました。
Julieは舞台から降りて、握手を！
きっと妹さんの事を想い出された事でしょう。
素晴らしい集いでした。
ありがとうJulie！
昭和４６年６月２７日 PYG広島公演 （公子記）
オープニングは♪ブラックナイト
ショーケンとJulieが並んでショーケンのソロ。
次は♪エブリ・マザーズ・サン スローテンポからアップテンポに変わります。
語りかけるように歌います。何も言わなくても手拍子が・・・
Julieが喋っている時に「ジュリー、ジュリー」と声がかかると
「ちょっと静かにしてね。はじめの挨拶はしなくちゃいけないでしょ？」
とにこやかに子供をあやすように言いました。
♪トゥラブ・サムバディー
８月１０日発売のLPの中から「今世紀最高傑作」というショーケン作詞、Julie作曲
♪戻れない道 かなりハードな曲。
♪淋しさをわかりかけた時 これはJulieに言わせると
「楽しい曲ですけれど、ココロに悲しみをひめて抑えて歌います。」
Julieが言うように表面は明るい感じですが、内面には深いものがあるようです。
♪やすらぎを求めて
とても幻想的な照明があって、レコードで聴くのとは違って感激しました。
音が冴え、静けさが場内
にひろまって、次の瞬間、Julieが涙をこらえて叫ぶように
歌っています。
♪自由に歩いて愛して
Julieは準備があるから、とその時の司会はショーケン。でもしどろもどろ。
Julieのボンゴが冴えていました。軽快なリズム。
♪花・太陽・雨 Julieが歌詞を間違えてんですよ！
二ヤっと笑ってすましてつづけました。
終わってから大きな声で「え～。かなり興奮してしまいました。さっき歌詞を間違えまして・・
興奮すると歌詞を間違える事があるんですよ。ショーケンも間違えただろう」
♪悪魔を憐れむ歌 ショーケンのソロ。Julieは舞台の上でタンバリンをお尻の下に敷き、
足を組んでボンゴを前に置いて叩きました。体を動かしながら全身で叩きました。
ショーケンが引っ込んで♪アイ・プット・スペル・オン・ユー
Julieの黄金の右手人差し指が客席を指します。切々と歌い上げるJulie.
幕がおりかけました。場内、騒然！
再び幕があがって♪ハイヤー ファンがステージに駆け寄って凄い勢いで
♪ハイヤー、ハイヤーと叫びます。すぐ真上にJulieの顔がありました。
かなりエキサイトしていました。投げKISSを残してソデに消えました。
アンプから流れる余韻をココロに残し、又のステージを楽しみにPYGに別れを告げました。
昭和４６年７月１３日 日比谷野外音楽堂 （Rさん記）
麻生レミさんの帰国を歓迎するコンサートがあり、軽い気持ちで足を運んだら、Julieが出演しました。
チラシにはPYGの名前もありましたが、スケジュール的に出ないと思っていたのに、Julieだけ出演。
ゲストボーカルとしての登場となったのです。
その時、一部のコックファンのJulieへの反発や嫌がらせをいやというほど見せられ、思い知らされました。
Julieはレミさんの応援として♪サティスファクション♪ホンキートンクトンク・ウィメンの
２曲を歌ったのですが、その観客の態度の悪さといったら目に余るものだったのです。
歌う間、紙コップは投げる、空き缶は投げる、１曲終わると「帰れ、帰れ」と団体で連呼する、など。
PYG,あるいはJulieに対するある程度のロックファンの反発は免れないと覚悟はしていました。
Julieをマスコミなどで曲げて理解している人、又は体制的なものへの反発が比較的大きい
ロックファンが、大きなプロダクションに所属しているJulieに気持ちよく接してくれないであろう
事はいくらか予想はできていたわけです。
Julieに対する偏見の大きさを思い知らされました。
いつかJulieの努力が報われ、わかってもらえる日が来ると思っていましたが、
野次る彼らの心が思った以上に頑なである事、その壁が以外に厚いものだと
見せつけられました。
（裕也さん達がとてもJuliewo保護しているので、それに対しても反発を感じる人もいたのかも）
Julieは野次る声に面と向かって「カモン！」のポーズをとったり、いつもより派手なアクションで
立派に挑戦していました。
１曲が終わって乱れ飛ぶ野次の後に隠れてしまったJulie.つかの間のJulieの抵抗でした。
「SING AGEIN! mr.SAWADA」裕也さんのかけ声にアンプの後ろから飛び出す様に
出てきたJulieの勇気が嬉しくて。
Julieの歌を楽しむ男性ファンが増えた事も実感しました。
女性ファンが少なかったので、それもあるのでしょうが、うれしかったのです。
女性の話題が週刊誌に報道された時に、ファンの間でも喧々諤々。
それに対してJulie の発言があったのです。
昭和４７年６月２５日のお誕生日に、ニューACBで、Julieとファンとの間で、
何でも許しあえる時がいつかは来る。誤解もいつかはとける、それまでは
厳しく接する、と話していたのです。