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正直な話、今回はお祭りというか、一種のセレモニーなのだから、とにかくその場に立ち会うだけで、
いいと思っていたのだが、それはとんでもない間違いだった。もちろん、10月11日武道館での25周年
記念コンサート“ジュリー・マニア”のことである。
10ｍ近い高さのクレーン上で無伴奏で歌うかつての“キメ”のナンバー♪アイ・ビリ-ブ・イン・
ミュージック♪から、ステージ上に降り立って、♪彼は眠れない♪
(これは現在のジュリーのテーマソングのようなもの）に移るオープニングの見事な演出にいきなり
ノックアウトされてしまった感じで、“お茶の間レベル”のショーを予想していた私をあざ笑うかの
ような、カッコ良さだった。
確かに、普通のコンサートに比べ、往年のヒット曲を数多くプログラムに組み込んでいたが、 そこに古くささは全然ない。歌謡曲(ほとんど死語）のレベルでは、飛び抜けた曲のクオリティーと、 構成の巧みさ、そして何より“沢田研二”というアーチストの魅力が、今回のステージを現在進行形 の生きたものにしたといっていいだろう。
何といっても、今回のステージには、“華”があった。最近のコンサートにはあまり使われなかった
だけに、個人的には、これが一番うれしい。それも、ゲストやヘタな小細工など使わないで、である。
舞台の大きさというのも一因かもしれないが、それに見合うだけの力がなければ話にならない。
やはり、ジュリーは大舞台にふさわしい人なのだ。
選曲のほうも、シングルのポイントになる曲をすべてカバーしたうえ、
♪シーサイド・バウンド♪♪シー・シー・シー♪
♪自由に歩いて愛して♪などのタイガースやＰＹＧのナンバー、さらに
♪ＧＳ・アイ・ラブ・ユー♪♪ノン・ポリシー♪
といったアルバムの曲まで含んだほぼ完璧なもので、ジュリー・マニアも、それほどでもない人も、
十分に楽しめたはず。
今後も年に1度くらいは大会場でのステージを見たいもの。そしてもちろん
30周年は東京ドームで決まりだ！
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11月9日(土)から13日(水)までの5日間にわたって、ＮＨＫの衛星放送第2テレビが『沢田研二
スペシャル』と題して、ジュリーの芸能生活25周年記念番組を放送する。ＢＳとはいえ、
5日間も延べ25時間もジュリーの特集をしてくれるというのは、うれしい限り。内容は、映像とトーク
による25年間の回顧、ヒットソング集、映画『太陽を盗んだ男』、テレビドラマ『恋人よ、われに帰れ』
『幸せな市民』『２人の医師』、89年ＮＫホールと先日の武道館でのコンサート、さらに今年の
『ＡＣＴニーノ・ロータ』のステージ、なつかしの『紅白』や、『ビッグショー』など。
なかなかバラエティー豊かだが、やはり素材を強引に集めてきたという感じは否めないところ。
古めの映像が不足しているし、コンサートにしろ、89年と今年のステージをやるなら、80年の
横浜や『ミス・キャスト』のビデオ、タイガース同窓会など年代の少し離れたものにしたほうがいい。
ドラマにしても、ほかに取り上げるものがあるはずだ(まあ、あまり多くを望んではいけないか…)
とはいえ、これだけの放送時間をジュリーのために使ったＮＨＫと制作スタッフについては、 オンエア前ではあるが、今の状況で、この企画はかなりの冒険なのだ。ただ、沢田研二という人に それだけの価値があることは、間違いない。
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今年のジュリーは、なかなか話題が多かったが、秋に入っても、10月12日(金)日本武道館での
25週年記念コンサートをはじめ、衛星放送での『沢田研二スペシャル』、学園祭でのステージなど
実に精力的に頑張ってくれた。
なかでもやはりハイライトとなったのは、武道館コンサート。これまで、私が見たジュリーの
ステージでは、文句なく最高のものだった。そんな1年の最後に、新聞でいうところの“号外”と
いう感じで届けられたのが、カバー曲を集めたアルバム♪A SAINT IN THE NIGHT♪。
ポップスのスタンダードからミュージカル・ナンバー、最近のヒットソングまで、さまざまな曲が
12曲(ガーシュインからスティービー・Bまで！)。それぞれにオリジナルの日本語詞が付けられている。
全体の雰囲気は、落ち着いて地味め。ジュリーの歌をじっくりと聴いてもらおうというのが狙いと
いったところで、ふだんのアルバムとは、一味違うジュリーが楽しめる作品だ。
まあ、ファンにとっては、いいクリスマス・プレゼントになったのでは、ないだろうか。
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この回は、16の内容をダブって載せていましたので、省略します。
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1月18日は、92年最初のコンサートを見に浦安のベイNKホールへ。今回は例年の新春コンサートと
違い、12月に出たスタンダード中心のカバーアルバム♪A SAINT IN THE NIGHT♪
をそのままステージにしたような内容で、大編成のオーケストラをバックにしたゴージャスな雰囲気。
久々にリラックスして気楽に楽しめた。
何せ、あの武道館のあとのことだから、ここはこういう変化球でくるのが、戦略的にも正解という
ところ。でも、あくまで、それは直球あってのこと。この欄でもキチンとそのあたりを書いておこう
と考えていたら(何度もふれているが)、ジュリー本人がコンサートの中で話してくれた。
いわく、｢ずっと、こういうのをやるってわけではない。」｢たまにやるから、こういうのは いいので
あって…｣｢年相応のことをやろうと思っているんじゃない。｣ここまで、しっかり(しかも執拗に)言って
くれると安心できるというもの。和つぃなど、後半はすっかりリラックスしきってしまった(ワインでも
飲みながら見たかった）。
一方客席は、いつもと違うフォーマルなスタイルに戸惑ったようで、どうも固い。ジュリーも
それが気になるのか、しきりに声をかけていた(というより、本人がこのスタイルにあまり気乗りして
いないように思えた)。
まあ、夏から秋にかけての、ツアーとの対比、そして沢田研二という人の芸術の広さを示すもの
としては、意味のあるステージだったと、言って良い。それにしても、何回行ってもNKホールはひどい
会場だ。
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