曲名はカタカナで表示してあり、原曲のタイトルとは違うこともありますが、 笑って許してね。

NO. 11 昭和４５年９月２０日発行

★民音公演　７月２５日 開演のベルが鳴り響くと共に、ファンのざわめきが歓声に変わりました。５月のウエスタンで 披露した白いスーツの５人がライトに浮かびあがり、先ずは♪都会♪でオープニングです。 Julieの声は会場の隅々まで響き渡ります。切々と歌いあげる♪嘆き♪が、 続きます。♪都会♪まで、全てオリジナルで構成され、静のムード。 司会のシローを置いて、他のメンバーは衣装替えです。 二部はコカコーラの箱を舞台中央にセッティング し、メンバーの衣装も個性の強いラフなスタイルにチェンジ。Julieは白のシャツに白のズボン、 白のズックといういでたちで、腰に２本のバンドを締めています。１本は皮、１本はこの秋流行すると いわれている蛇を使ったもの。一部とは、１８０度変わったような激しい二部の開始です。 ♪ホンキートンク・ウィメン♪・♪サティスファクション♪・ ♪ル・シール♪・♪グッドゴーリ・ミスモーリ♪そして ♪ナーナーヘイヘイ・キスヒムグッバイ♪この長い曲の合間にコカコーラを口にするメンバー。 おしゃべりで、『大半は勿論、女性の方でしょうけど、中には男性の方も来て 下さってきっと小さくなって見ていらっしゃるんじゃないかと思うんです。たまにはこうやって（と、 右手を上げ）オー！何て…ね。』 途端に場内から『オー！』と男性の声。 『アッ、いた。』パッとJulieの顔が驚きで明るくなりました。 そんな少年の様なJulieの一面が見れました。 ♪ヘイ・ジュテーム♪騒いでいるファンに、マイクを通して、 『うるさい！静かに』とJulie。 ♪ハート・ブレイカー♪体を上へ下へ、右へ左へ、とまるでバネじかけの ように弓のようにそらします。叫びに近いその歌声が心を乱していきました。ラストは、 ♪ラブ・ラブ・ラブ♪ インターナショナル・ウエスタンカーニバル万博ホール８月１６日 日本からはタイガース、スパイダース、ロックパイロット、イギリスからアライバル、アメリカ からマザースピリアス、フィリピンからサウンドトラック。全員で♪レットイットビー♪ ♪ワイルドで行こう♪各グループが終わり、最後にタイガースの登場。 フレンチ袖のシャツに白いパンタロン、太いベルトに白い靴のJulie。 ♪都会♪ ♪素晴らしい旅行♪、照明が一変して鉄骨を組んだ舞台に ５人のシルエットが写し出されバックの壁に赤、青、黄…と色とりどりのスポットが目まぐるしく 点滅します。 ♪エニバディ・アンサー♪、♪ハート・ブレイカー♪ ラストは、 ♪ラブ・ラブ・ラブ♪ 田園コロシアム８月２２日　THE TIGERS SOUND IN COLOSEUM さんさんと照りつける太陽の真下に、延々と続く長蛇の列。兎に角どこまで行っても尾がなくてあの 広大な田園コロシアムを一回りしてしまったという程の凄まじさ。驚いたことに１週間前から徹夜で 並んだという熱狂的なファンがトップを切って頑張っているというタイガースならではのお話。３時 開場。５時半開演。夕方とはいってもまだ空は青々と眩しいほどに明るく只、真昼の重々しいしっとり とした蒸し暑さはいつのまにやら秋を感じさせる涼しい風と変わって肌をなぜていた。 トップグループは、ザ・ハプニングスフォー。次にザ・ロックパイロット。 タイガースの登場。 ♪ホンキートンクウィメン♪ ♪サティスファクション♪ 『本当にきょうは皆さん、よくいらしてくださいました。本当に気持ちいいですね。 星ひとつない、夜空…（笑う）』♪スージーQ♪ ♪アイ・プット・ア・スペル・オン・ユー♪とCCRの歌が２曲続き、 ひとたびJulieが指を差すや、歓声が巻き起こり、一斉に大きくハンカチを振る。遠くに見るその情景 が何ともカラフルできれいだった。タローの ♪ルート６６♪サリーの ♪ドッグオブベイ♪シローのビージーズメドレー、そしてピーの ♪ルーキールーキー♪、ウエスタンナンバーで ♪コットンフィールズ♪、♪監獄ロック♪ ♪トラベリングバンド♪ちょっと休憩。 シローとブレッド＆バターが３曲。１５分程度で証明がステージに向けられると、再び メンバー登場。Julieは前半、胸まであいた白い長袖のシャツからノースリーブの白いシャツに着替えて、 首と腕にタイをしめて登場。スペシャルゲストとして、かまやつひろしさんがお祝いの花束を 一人一人に手渡されると、その後一緒に ♪どうにかなるさ♪ ♪ファット・アイ・セイ♪。 かまやつさんが去ると♪都会♪ ♪花の首飾り♪♪坊や歌っておくれ♪ ♪モナリザの微笑み♪♪青い鳥♪ 『僕等は今まで色々な事がありました。悲しい事、嬉しい事、苦しい事、 そして新しいオリジナルを歌う度に昔の思い出を反省したりしています。これからもみなさんと 一緒に歩んで行きたいと思います。』 ロンドンでレコーディングした ♪スマイルフォーミー♪♪淋しい雨♪、 サリー&シローのLPから ♪白い街♪、シローの♪思い出を胸に♪ ♪美しき愛の掟♪ ♪ヘイ・ジュテーム♪ ♪エニバディ・アンサー♪、♪ハート・ブレイカー♪、 白煙灯がもくもくと立ち上がりステージはおとか客席全体を、大空一面を包みこもうとしている。そんな 重々しい霧の中を赤と黄色のライトは、強烈な光を放ち、客席からステージから大空までも乱れる ように照りつける。もうかすかにしか映らない。Julieの陶酔しきった、身をふり搾るような激しい 歌声だけがもくもくとした重苦しい煙を貫き鋭く強く伝わってくる。煙の中の５つの姿はどんどん 小さくなってゆく、遠くに遠くに押しやられるように、唯々恐ろしい程に大波の如く押し寄せてくる ギターの音と声だけを残して音はやみ、姿は消えた。パッとステージにライトの光が放たれると５人 の姿が映し出され、演奏が始まる。 ♪怒りの鐘を鳴らせ♪ ラストは、 ♪ラブ・ラブ・ラブ♪ 『今日は本当にありがとうございました。正直言って、こんなに…たくさんの 人が…入るとは思っていませんでした。本当に…どうもありがとうございました。』Julieは、 歓声で胸が一杯になり涙が止まらないのでしょう、声をつまらせても、最後まできちんと挨拶を終え、 再び♪ラブ・ラブ・ラブ♪を歌い続けました。 船橋ヘルスセンター 『船橋ヘルスセンターなんて、タイガースムードじゃないわね』等と、勝手なことを考えていながら、Julieの 魅力には勝てずに千葉まで来てしまいました。大劇場と名のつく様に劇場の中は広くゆったりと見やすく 出来ているのですが、左側は畳敷きでステージと地続きになっていてテレビで見るドサ回りの小屋を 思い出させます。客席には、東京からの顔馴染みのファン達もいましたが、中には水着姿の上に バスタオルやら、ビーチコートをひっかけている人達もいて何ともいえない異様さに驚いてしまいました。 看板料金が６００円、５００円にもかかわらず、1階席が１０００円、自由席が９００円。 おまけにお巡りさんが大挙動員されデモでも始まるかの様な騒ぎです。 マイクで開演５分前の放送されるといよいよ幕が上がり、ステージには懐かしいJulieとメンバー の姿が…。客席は、ウワーっと波の音の様な物凄いうねりを上げて押し迫ってきて耳を劈くとも いうのでしょうか、民音（7/25）の時も凄まじかったのですがそれ以上でした。Julieの声もとぎれとぎれにしか 聞こえません。1回目、２回目とレパートリーを全部変えて歌ってくださいました。昼夜を通して、 ラストナンバーは、♪エニバディ・アンサー♪、♪ハート・ブレイカー♪ 圧巻でファンを熱狂させてしまったJulie。お巡りさんの静止も物かは、前へとなだれ込むファン達の 煩わしいこと。呆れてしまうほどでした。照明の悪さもJulieをいらいらさせたようです。見終わって 感激するより、何か複雑なやり切れない気持ちにさせられました。 スクラップ報知新聞　8/13 　万国博ポピュラー部門の一つとして若者達の関心を呼んでいたインターナショナル・ウエスタン カーニバルが１３日から万国博ホールで幕を開けた。同日会場入り口には女子高校生、OLなどが 早くからつめかけ、マイクロバスで会場に到着した各グループのメンバー達に手を振り、歓声をあげる 熱狂ぶりで開演前からムードは盛り上がった。舞台は境正章の司会で始まりカラフルなスポットライト をあびて沢田研二、萩原健一を始め、出演の全グループが次々登場。 ♪ワイルドでゆこうを全員で歌う華やかなオープニング。場内は、若い女性 ファンの熱気で蒸せかえるようだった。ザ・タイガースが登場すると、舞台は最高潮に達し、白一色の ラフなスタイルで♪ハート・ブレイカー♪を歌いまくる沢田研二の姿に 観客は総立ち。ステージとファンが一緒になって、万国博らしい国際色もたっぷり。 第42回日劇ウエスタンカーニバル フォーリーブスのステージの後、タイガースの登場。白のフレンチスリーブと白のパンタロン、 腰には太いベルトのJulie。演奏に入る直前、マイクのコードを幾重にして持っていた彼の表情の 厳しかったことが印象的でした。 意表を突いて１曲目から ♪エニバディ・アンサー♪、続いて♪ハート・ブレイカー♪、 その激しさにいつもの事ながら息を呑んでいたのですが、２曲を歌い終わるとタイガースがステージを 降りて行きました。たった２曲…。スパイダースの後、全員登場。今回は『みんなで踊ろう』という サブタイトルで、勇気のあるファン達は手ぐすねひいて待っていて、なだれ込むようにステージに かけ上がり、思い思いのアイドルにむしゃぶりつく。彼等のそばで引っ張ってみたり、肩からぶら下がって みたり…。Julieは、といえば、むきだしの腕にぶらさがるように腕をとられて身動きできない彼。 収拾がつかないようでした。2回目のフィナーレで、前回にも増してエキサイトしたファンの凄まじい 攻勢に１回目の笑顔はどこへやら、途中でステージを降りてしまいました。 この企画は初日の２回目をもって打ち切り。その後曲目も３曲に増えましたが。 最終ステージ；Julieとショーケンがせり上がってきます。背中合わせに座った二人。ボンゴを 足に挟んでいました。♪ホンキ・ートンク・ウィメン♪を。 フォーリーブスの後、天井から吊り下げられたむきだしのライトだけ…。Julieは薄い絹の白い ノースリーブの上衣、白いパンタロン、首に巻いた白い革のプチネック。ライトの光で胸元の ネックレスがキラリと光る。足許に目を移すと、素足でした。 ♪素晴らしい旅行♪でスタート。 『皆さん、今晩は。今回は僕等もニューロックに取り組んでやっています。 タイガースファンのみなさんは勿論、他のファンの方達も僕等に時間を頂きたいと思います。』 初披露の曲♪ザ・レター♪、♪エニバディ・アンサー♪ ♪ハート・ブレイカー♪Julieの身体ガブリッジのようにそり返り、ピンスポット がJulieを追う。Julieの素足がステージを激しく踏み、Julieの手が胸を叩くようにぶつかり、次の 瞬間、Julieの上衣の胸元が引き裂かれたのです。場内が悲鳴に近いどよめきを上げる。次の瞬間、ステージに よろめくように倒れるJulie。逆光の中で投げ出されたように横たわったJulieの姿が浮きあがる。 息もつかせぬ凄まじく華麗で残酷なまでに心につきささったステージでした。 次のスパイダースのステージに対しては、虚脱感をどうすることもできないかったのです。