曲名はカタカナで表示してあり、原曲のタイトルとは違うこともありますが、 笑って許してね。

NO. 7 昭和47年11月15日 発行

★ジャズ喫茶　閉鎖！ 10月28日でニューACBが閉鎖されました。 ジャズ喫茶とJulieの関係は、切っても切り離せないほど大切なものだったのですが…。 　☆ジャズ喫茶でのJulieとファン―それは何にもかえがたいJulieとファンだけにしかその味は わからない、最も貴重なコミニュケーションであり、最も楽しいなごやかな場であった。ジャズ喫茶 を通して、ファンは本当のJulieを知り、彼という人間をつかみ、彼の歌を心ゆくまで味わうことが できた。Julieはファンの声を直接聞き、ファンの心を知る事ができたと思う。たとえJulieがテレビ の１時間番組を持とうと、大きなステージでワンマンショーをやろうと、小さくとも音楽喫茶という 小屋でのJulieとファンは、それら全てを超越した貴重な時間であったと思う。そこには１つの 偽りのない真実があったと思うし、一言に歌手をファンという言葉では、割り切れない親密感がいつの 間にか生まれてしまった。そして又、ほっとしたやすらぎさえ感じ、一番落ち着ける古巣になっていた のかもしれない。Julieが問いかけてファンが答える。ファンが問いかけてJulieが答える。そこに真の Julieがいて、真のファンがあったのだと思う。ファンにはJulieの態度、言葉、歌っている様子等 によって彼の心境さえ感じる程、Julieを理解することができた。 大衆とJulieという関係においては、テレビが唯一のコミニュケーションであり、又、レコード を聞いて彼の歌を知る。Julieという人間については全然知らない。しかし、彼の歌は抜群である―と 評価される事が、歌手にとっては理想的である。 しかし、歌手・沢田研二を全て理解しその心も通じ合い、その上で歌を聞くといういわゆる根っからの ファンというのは、大事な存在であると思うし、人間同志の絆、心と心の触れ合いをいうのは、 捨て難いものだと思う。しれは余りに人間的で、Julieとファンという関係を超えているかも知れない が人間誰しもハートがあり、感情があり気持ちの上で割切れない異性とのつながりがあるのは、 仕方ない事だと思う。歌手・沢田研二がより大きく成長し、世間的に認められ、大衆に十分に 浸透した立派な歌手になって欲しいというのは、ファンの誰もが願っている事だが、あくまで 歌を唄い、それを聞くという、能動と受け身の関係には、なりたくない。 歌う者と聞く者との 心の触れ合いという一番大事な、重要なものは忘れて欲しくないと思う。いくら素晴らしい歌で あって、いくらヒットしたとしても、そこには真に通じ合うものがなく単なる歌だけのつながりである。 その意味でもジャズ喫茶での強い結びつきは非常に人間的で素晴らしいものだった。そのジャズ喫茶 が閉鎖されるという事は本当に残念であるし、何か心の支えを失ってしまった様な空しささえ 感じるのである。 これから先も何らかの形でJulieとファンとのなごやかな場を設けて欲しいと強く願う。（Y・Y） 10月28日、ニューACB・最終ステージでJulieがラストナンバー ♪祈る♪を歌い、 ｢今日で終わりです。｣と言われたとき、客席の隅々からすすり泣きの声 が…。それぞれの胸にいろいろな思い出が潮のように押し寄せてきたのでしょう。 　☆大きなステージの後でおそってくる虚無感は、去ってしまった蝶を見上げる葉の様なものです。 立派なステージ、感激度の強いステージほど、その感も強くなり、何かとても遠くで行ってしまった Julieを感じるのです。大きなステージは言ってみれば、そんな喜びとむなしさの振幅がはなはだしい ものといえるのです。 それに対して、ジャズ喫茶には、そんな華やかさもなく、まぶしすぎること もないけれど、何故か人間味のあうｒ、いかにも音楽を楽しめる雰囲気がたまらない魅力なのです。 大きなステージの後に虚脱感があっても、いつのまにかJulieを身近に感じられるジャズ喫茶で 立ち直ってしまうのです。ジャズ喫茶のおかげで、どれだけJulieの誤解をとき、又、Julieもファンの 気持ちをわかったことでしょうか。Julieがファンの心を適確につかんでいるのにはいつも感心させられます。 "ファンレターは読まない。読まなくてもファンの気持ちはわかるから"最近の雑誌で目にするこの発言。 今までジャズ喫茶という大きなファンレターのひとつつみをかかえていたのですもの、前記の 発言も当然と思えます。ジャズ喫茶ほど会場内の雰囲気が敏感に作用する場はないと思います。 そこには何の気取りもためらいもない裸同志の人間関係が成りたっているからなのです。 大きなステージで沸く拍手・歓声はすべて真実と言い切れません。それは観客自身がいつのまにかステージを 演出する一員となってしまうからです。知らず知らずのうちにショーを盛り上げよう、成功させよう という想いが走りその雰囲気に巻き込まれてしまうのです。それに比べジャズ喫茶ではファンの反応 も明らかに冷静で客観視できるのです。唯単にJulieとの身近な人間的結びつきのみを求めてジャズ喫茶 に愛着をもつのではなく、これから先のJulieとファンのことを思うと、正直な心をみせあう場の必要性を 痛切に感じるのです。 今、唯一のジャズ喫茶が消えてしまいました。大きなステージと共に常に 歩み、ファンとの真の交流のあったジャズ喫茶―その灯りを消されたこと、何故かポッカリと大きな 穴があいてしまった私。時は11月半ば。リサイタルの盛況に続き、歌謡大賞へのノミネート、 紅白歌合戦ほぼ確定…etc。これ程充実しきったJulieにとって素晴らしずくめであるのに、もうひとつ 手放しで喜べない私。Julieの背中がどんどん小さくなってしまう。そんな感じがどうしてもぬぐい されない私なのです。（R・M） ★沢田研二リサイタル　日生劇場　11/17〜11/22　8回のステージ 『素晴らしいステージで　素晴らしい人々の力を借りて　素晴らしい人達の前で歌えるこの喜びを あなたにも　あなたにも伝えたい　今、このステージから』プログラムより ♪アイ・ビリーブ・イン・ミュージック♪で始まる第一部のステージ。 ｢今の僕の気持ちです。｣とことば少なに語った言葉が印象的でした。 第一部はJulieの出生から現在に至るまでの生立ちを楽しいおしゃべりをまじえてLPの中から数曲。 ラストは♪青春♪でした。第二部は、外国ナンバー、ロックンロールメドレー、 オリジナル曲そしてカンツオーネと幅広く素晴らしい唄を聞かせてくれました。 ♪60才の時♪間奏のとき、天を指すひとさし指…Julieの姿がスポットライト に映えて息を呑むほどの素晴らしく美しく絵になる姿でした。 ♪アイ♪・♪捨てないで♪ ♪あなただけでいい♪♪許せない愛♪ ♪死んでもいい♪ ♪ソング・フォー・ユー♪♪ギブ・ピース・ア・チャンス♪ ♪ホワット・アイ・セイ♪ ♪ウイズ・アウト・ユー♪ (F・I) スクラップ ☆10/11　毎日新聞より 　沢田研二が昨年に引き続き、日生劇場でリサイタルを開く。タイガースの一員として活躍して いたJulieがデビュー6年目の最近は大きく脱皮して1人のソロ歌手としての力をつけてきた。 ｢今年はこれまでの歌手生活の中で一番燃焼した年になりそうです。GS解散後、 ちょろちょろとしか燃えていなかったものが今年になってどっと燃え始めた感じ ｣と彼は言う。3月に出した ♪許されない愛♪以後♪あなただけでいい♪ ♪死んでもいい♪ とレコード面ではコンスタントにヒットを飛ばし彼自身の作詞・作曲家としての作品 ♪今、僕は幸せです♪も順調だ。 ｢タイガース時代から大きく回り道をしてきた感じはしますが、昨年初めて リサイタルを開いてやっと自信がつきました。今年はある意味で、"タイガースとの決別"の リサイタルになると思います。選曲も切々と歌い込むバラード調のものを主にしたい。 ｣若い女性のアイドル的な人気は持続しているが、それにソロ歌手・沢田研二をしての 新しいファンがプラスされた。今年の前人気でも従来より高い年齢層に受けているという。 リサイタルはロック調のものからフォーク、シャンソンまで幅広いレパートリーの中から選曲した。 ｢生意気なようですが、タイガース時代より上の歌が歌えると思います｣ と大張り切り。