新しい音楽論3

「リミックスやトリビュートの言葉の意味」
「リミックスやトリビュートの言葉の意味」について、僕の知ってる範囲のことを書いてみます。
まず「リミックス」というのは文字どおり「ミックスのやり直し」のことです。

ではそもそも「ミックス」というのは？
普通CDなどをレコーディングするときは、各楽器（ドラムやベース、ギターやボーカルなど）は「せーのっ」で同時に演奏するのではなく、別々に順番に録音していきます。例えば、最初にドラムだけ録音して、次にそのドラムを聴きながらベースを録って．．．という具合に。で、最終的に録音された全部の楽器の音を、音量や音質のバランスを取りながら一つにまとめます。この一つにまとめる作業を「ミキシング」とか「ミックス」といいます。
つまり「リミックス」とは、一度ミックスされて出来上がった曲の各楽器を、もう一度別のバランスでミックスし直すことをいいます。よくシングルのカップリング曲やアルバムのボーナストラックで、「Remix virsion」「Remix edition」などと書かれた曲が入っていることがありますが、要するに「昔の曲の焼き直しバージョン」ですね。

そして、本来は「リミックス」というとそういう意味だったのですが、最近は別の意味で使われることもあります。最近では「既存の曲に、全く別のミュージシャンが他の音をかぶせたり曲の構成を変えたり」したものもリミックスと呼ばれています。

余談ですが先日インターネットで「沢田研二」を検索していろいろ見ていたら、「勝手にしやがれ」が見るも無惨な形で「Club mix」と称されてアップしてありました。

それから「トリビュート」ですが、これは英語で「賞賛」「尊敬」などの意味で、一人のアーティストの作品を敬意を持ってカバーすることです。通常は「トリビュート・アルバム」といって、複数のミュージシャンがある一人のアーティストの作品をそれぞれカバーしたものをひとつのアルバムに収録する「カバー曲集」のような形で発表されます。
例えば「沢田研二トリビュート」というアルバムがもし作られたなら、そこにはSILVAや天童よしみや清春などが歌うジュリーナンバーが収録されている、という具合です。いずれにしろ、ジュリーの嫌いそうなことではありますね。

By NOB=倉知　信博（くらち・のぶひろ）さん